本年5月15日に開催されたISO/TC10/WG18ロンドン会議に、㈱サクラクレパスの塩井氏(convener)とともに三菱鉛筆㈱小野(expert)・中山(expert)が出席しました。
また、現地からは英国三菱の多賀谷氏(通訳)にも出席してもらいました。今回の会議はロンドン郊外のBSi(英国規格協会)ビルで行われましたが、英国メンバーは都合つかず欠席でした。出席したのはスウェーデン、フランス、日本の3ヶ国で、国際会議としては少々参加国の少ない会議でしたが、活発な意見交換がなされ、とても有意義な会議となりました。 |
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今回の会議では、日本から新業務項目提案(NWIP)を行う予定の「一般用シャープペンシル及びその芯(PartⅠおよびPartⅡ)」について、小野氏から国際規格化の必要性と具体的な規格内容についてプレゼンテーションを行いました。
そして、その後出席者と質疑応答をおこないました。ISO 9177(Mechanical pencils)と重複しないか?などの質問がありましたが、9177で規定している内容は製図用に限定したものであり、今回の提案内容は一般用について定めたものであることを日本が説明を行うことで国際規格化の必要性について理解を得ることが出来ました。
さらに、新規格とISO 9177 の内容の違いがタイトルで判るよう明確にしておくのが望ましいとの前向きなコメントも得られ、新規格として発行される際は、ISO
9177シリーズもタイトルの変更の検討をすることとなりました。
その他にも、品質の規定内容についてバッチ毎の試験が必要かどうか? 試験内容の筆記角度は60°でなければいけないのか? などの質問もあり、これら質問に対しては正式にNWIPとして成立後にじっくりと話し合うこととしました。なお、NWIPの申請は9月の予定です。投票にて承認の条件を得るために、今後日本からTC10参加国への働きかけを行っていきます。
会議ではその他に、前回会議の指摘事項のISO 9177-1 の誤記訂正がいまだなされていないため再度TC10へ働きかけること、ISO 11540(安全キャップ)の参考文献を次回見直し時には削除すること、ISO
11540 および取り下げになった安全尾栓に対するBS規格の対応についてTC10事務局が調査を行うこと、などが決定されました。 |
また、今回は滞在期間中ずっと晴天が続きました。ロンドンでは非常に珍しいことだそうです(多賀谷氏・談)。「霧の」ではなく「五月晴れ」のロンドンで飲んだビールの味はまた格別に美味かった!
次回は来年5月、東京で開催の予定です。 |
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